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小澤卓也『先住民と国民国家 中央アメリカのグローバルヒストリー』(2007)

2016年06月05日 08:23

主にグァテマラ、ホンジュラス、チアパス(メキシコ)を対象に、独立後の中米諸国がたどった国家形成の歴史と、そこへの先住民の関わりを描いた本。コンパクトで非常に読みやすいが、グァテマラ(国家による国民形成)→ホンジュラス周辺(反米と下からの国民形成)→チアパス(同じく下から、しかしサパティスタの新しいアプローチ)へと至る経緯につながりを感じさせる説得力がある。ええとつまりとてもいい本です。有志舎の「国際社会と現代史」シリーズ、他もこんなに良いのなら、読んでみないと。

もっとも印象に残ったのは、時間を経て再び中米に、今度は理念・シンボルとして戻ってきたサンディーノやサパタ(ボタン・サパタ)の姿(とそれらが先住民の運動に持つ重要性)である。特にチアパスにおけるサパタ受容は、サパタ本人が不在でないと成し得ないような変質を遂げている。アンデス植民地史を学ぶ自分にとって、「主体なきインカの歴史化」(網野徹哉『インカとスペイン』)を思い出させる箇所であった。



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『歴史のなかの金・銀・銅』竹田和夫編、2013年

2016年04月16日 09:03

勉誠出版って最近知ったんですが、精力的に学術書を出しつつ価格が(比較的)手頃という、なかなか凄い出版社であります。
で、ポトシ研究者的に興味深い一冊をみつけたので入手。



取り急ぎ
飯沼賢司「鉛を食らう「銀の島」 日本の大航海時代の真相」
岸本美緒「銀のゆくえ 近世の広域的銀流通と中国」
のみ読了。以下備忘メモ。
[『歴史のなかの金・銀・銅』竹田和夫編、2013年]の続きを読む

Natalie Z. Davis, 贈与の文化史(2007)

2015年12月27日 20:30

年末年始の「時間たっぷりある感」に騙されて?購入後約8年の時を経て読了。
ずっと放置しててすみませんでしたゼーモン先生。

本書は、16世紀のフランス社会における「贈与」行為をさまざまなシチュエーションにおいて抜き出し観察し、それについて考察したものである。このテーマの重要性は明らかだけれども、近世スペイン世界の歴史を研究する立場から本書において面白かった点、思ったことをざっとまとめると…

・まず近世フランスの法文化のスペインとの違い。フランスでは自治体ごとに法令集が出ていたらしいが、スペインではそんなことあったのだろうか。少なくともイスパノアメリカでは聞いたことがない。ちなみに本書では「慣習法」と訳出されているが(pp. 57-58)、原語はdroict civile (tant public que privé)/ articles de coustumeとあるようだ。

・p.61に出てくる、公証人のための実例集が面白い。こういうのはスペインにもあったのではないかなあ。

・贈与と(売買・契約・報酬など)その他の取引は違うものだが、相互に行き来できる、というか両者の境はしばしば曖昧だ、ということは繰り返される。こういう場合は贈与でないとだめなのだ(p. 107)、という点がもう少しクリアになると良かった。

・ただこのぼんやりとした贈与の精神は、17世紀に入ると社会のあちこちで消えていった、という風に著者は考えているように思える(というのはあまりハッキリと主張はしていないから:pp. 174-175, 179-184とか)

・これまたスペインとの比較だが、フランスにおける官職売買は財政難に伴う苦肉の策というよりは、贈与システムに伴う不確実性を補填しようとして生まれたもののように見えて、これは非常に印象的であった(pp.192-193)

・この本がスペイン語圏でどう読まれたのかが気になる。具体的には、スペイン史研究者が、贈与と賄賂の境を考察した第6章をどう読んだのかが知りたい。けどざっと調べた限りではスペイン語訳も、スペイン語でのレビューも見当たらない。

・当たり前っちゃあ当たり前なんだけども、著者の調査量と、隣接諸分野、および現代社会への十分な目配せには驚く。個人的には、史料調査だけに絞らないと、誰かの役に立てるレベルのものを作れる気がしない。

・あとはなんだろう、ラブレーの思想に個人的に肩入れしたい感が伝わってくる辺りを微笑ましく読みました。

こういう本が日本語で読めるのは実にありがたいことであります。


Brian P. Owensby (2015) "The theatre of conscience in the "Living Law" of the Indies"

2015年12月26日 02:57

超久々に更新。マックスプランク研究所が教会法に関するグループ研究を進めているらしいことは数年前から聞いてはいた。その一環として先日出版された論集の中の一つをざっと一読。

GPLH3-U1-Rand1pt.jpg

http://www.rg.mpg.de/publications/global_perspectives_on_legal_history
論集はここからPDFで手に入る。この論集についてはまた機会があれば書くとして、取り急ぎ読んだ直後の感想をまとめておく。

・Tauの議論を整理しなおしてくれている点が便利。人の言葉で語り直されることで理解が容易になることもある。
・で、そのTauが一概念として扱うことはついになかったconcienciaという語を植民地法学史の中で定義しよう、という論文。
・16-19世紀にかけて起きつつあった心性の変化を野心的に論じている(史料の選択が面白い)
・この概念が持っていた重要性については、説得的に論じられていると思う(史料の跡付けがきめ細かい)
・ただし「だから何?」感が漂うのも事実。
・それと裁く立場にいる人間が判断のロジックとしてconcienciaに明示的に言及することが(現状)圧倒的に少ない、という事実にはやはり何かしらの理由なり意味があるのではないか。

以上。個人的には、彼のメインの議論よりも、導入部分での法意識の整理がありがたく感じた。

南米調査旅行 用意しておくと良い(気がする)アイテム

2015年08月28日 15:37

表題の通りでありますが、今回のように2ヶ月の間あちこちを移動して回る調査をしてみて
「こういうのは日本で予め準備しておいた方がいいなあ」と感じたものを挙げてみます。

まあ、そんなにないんですけど。

・保湿クリーム、特に小さめのサイズ。
南米でも買えますけど高い、上に微妙にでかい。荷物は少しでも少なく軽くしたいので。
化粧水も、店頭で売っているサイズの半分も使い切らないことが判明しているので、これも日本から持っていってもいいかも。
どちらも日本で買った方が安い気がします。

・スニーカーをうまいことしまえる袋的なケース

今の所これ位ですかね。



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